1入院の限度日数はどのくらい必要?
医療保険には、1入院あたりの限度日数というものがあります。そもそもこの「1入院」とは何なのか、そして限度日数はどのくらい必要なのか、それを考えていきましょう。
入院給付金「1入院」の考え方
医療保険では、退院日の翌日からその日を含めて180日以内に同じ病気やケガで再度入院したときには、1回の入院とみなします。
1入院の限度日数というのは、1回の入院について何日まで保障があるかということです。1入院あたりの限度日数が60日型の場合、60日以上入院しても、その分の保険金を受け取ることはできません。
60日型の例(1入院60日型なら、合計で60日まで)
図のように、40日間の入院後、退院して80日後に同じ病気で再度50日間入院した場合、合計入院期間の90日間が1入院としてみなされます。
この場合は、1入院の保障限度日数を超える30日分は支払の対象となりません。このように繰り返し入院となるリスクが心配な場合には1入院の保障限度日数が長い120日型などをおすすめします。
このような場合は、1入院とみなしません
- 退院してから再入院まで、180日以上経過している場合には、同じ病気やケガであっても別の入院として扱われます。
- 最初の入院に関連のない病気やケガで、退院後180日以内に再度入院した場合は、別の入院として扱われます。(例:盲腸で入院後、退院してから180日以内に交通事故で再入院した場合など)
入院日数の推移・割合
では、1入院日数はどのくらい必要なのでしょうか?
近年は、医療技術の進歩もあり、入院日数の減少が続いています。厚生労働省の患者調査で、約90%が60日以下の入院日数であることがわかりました。
病院と一般診療所の平均入院日数の推移
- 各年9月1日~30日に退院した者を対象とした。
- 平成23年は、宮城県の石巻医療圏、気仙沼医療圏及び福島県を除いた数値である。
厚生労働省「平成29年 患者調査」
一般診療所・病院の入院日数の割合
- 集計ベース:過去5年間に入院した人
- (公財)生命保険文化センター「平成28年度 生活保障に関する調査」をもとに作成
病気別、年齢別の平均入院日数は?
平均在院日数は29.3日
病気やケガで入院した場合に心配なのは、病院での不自由な生活だけでなく、長期入院による治療費や差額ベッド代などで経済的な負担が重くなることがあげられます。厚生労働省の「患者調査」によると、退院患者の平均入院日数は29.3日となっています。
傷病別の入院日数
主な疾病 | 総数 | 0~14歳 | 15~34歳 | 35~64歳 | 65歳以上 |
---|---|---|---|---|---|
全体 | 29.3日 | 7.4日 | 11.1日 | 21.9日 | 37.6日 |
結核 | 54.1日 | 2.0日 | 36.5日 | 45.4日 | 58.5日 |
新生物 | 16.1日 | 14.3日 | 10.2日 | 12.0日 | 18.2日 |
糖尿病 | 33.3日 | 10.9日 | 13.2日 | 16.3日 | 45.4日 |
血管性及び詳細不明の 認知症 |
349.2日 | - | -日 | 284.1日 | 349.8日 |
統合失調症、 統合失調症型障害及び 妄想性障害 |
351.8日 | 167.2日 | 106.5日 | 301.6日 | 1210.6日 |
気分[感情]障害 (躁うつ病を含む) |
113.9日 | 75.7日 | 47.1日 | 74.9日 | 167.0日 |
アルツハイマー病 | 252.1日 | - | - | 143.0日 | 254.9日 |
高血圧性疾患 | 33.7日 | 7.7日 | 13.6日 | 15.3日 | 39.5日 |
心疾患 (高血圧性のものを除く) |
19.3日 | 11.8日 | 10.0日 | 9.0日 | 22.2日 |
脳血管疾患 | 78.2日 | 12.3日 | 25.6日 | 45.6日 | 86.7日 |
慢性閉塞性肺疾患 | 61.5日 | 13.0日 | 7.9日 | 26.7日 | 64.3日 |
慢性腎臓病 | 47.9日 | 28.4日 | 14.9日 | 25.6日 | 54.4日 |
骨折 | 37.2日 | 6.1日 | 11.3日 | 20.7日 | 45.6日 |
- 平成29年9月1日~30日に退院した者を対象とした。
- 総数には、年齢不詳を含む。
- 厚生労働省「平成29年 患者調査」
平均入院日数は29.3日。病気別にみても60日を超える病気は多くありません。統計データからみれば、1入院の限度日数は、60日あれば、概ねほとんどの病気がカバーできると思われます。
こうした近年の入院日数の減少により、最近の医療保険では、1入院に対する保障限度日数が60日型か120日型になっている商品が主流となっています。
しかし、生活習慣病など、病気によっては長期入院が必要となるため、1入院の限度が60日型では足りないケースもあります。最近ではそんなニーズに応え、生活習慣病で入院された場合には、支払限度日数を拡大し長期入院をサポートする保険もありますので、上手に活用しましょう!
ここに注意!
上記の「1入院の考え方」でもご説明したとおり、退院後、180日以内に同じ病気やケガで再入院した場合には、1入院としてみなされます。(つまり、40日間の入院後、退院して80日後に同じ病気で再度50日間入院した場合、合計入院期間の90日間が1入院となります。)
このように、病気の再発などによって繰り返し入院となるリスクが心配な場合には、1入院の保障限度日数が長い保険をお勧めします。
しかし、保障限度日数が増えれば、その分保険料は割高となりますのでご注意ください。
まとめ
これまで見てきた通り、現在の医療状況からすると1入院の限度日数は60日あればほとんどの病気をカバーできることがわかりました。
ただし、生活習慣病等では長期間に及ぶ入院をする可能性もあるため、各種医療保険ではそれらをカバーするような特約が用意されています。まずは各社の医療保険の資料を比較してその保障の範囲を比較検討してみましょう。
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監修者情報
監修者
林田 憲治
(2級ファイナンシャル・プランニング技能士/株式会社アイ・エフ・クリエイト)
『お客様へ寄り添った案内』をモットーに、
スタッフ一同、親切・丁寧に分かりやすくご説明させていただきます。
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