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熱中症に保険は適用される?保険で猛暑に備えましょう

更新日:

熱中症に保険は適用される?

年々夏の暑さが厳しくなるなか、熱中症のリスクが高まっています。夏季はスポーツ活動やイベントが多く開催されることもあり、熱中症対策は必須です。

予防可能とはいえ、万全にしていてもこの猛暑では誰が熱中症になってしまってもおかしくありません。
普段は病院にかかることが少ない方であっても、熱中症で病院にかかったときには入院することがあるかもしれません。

そんなとき、保険は適用されるのでしょうか?
熱中症にはどのような保険が適用されるのか、どこまで保険が適用されるのか解説します。また、最近では熱中症に特化した保険も登場しているのであわせて紹介いたします。

熱中症とは?

熱中症とは、高温環境に長時間さらされることで体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなる状態を指します。
熱中症は、軽度から重度までさまざまな症状が現れ、早期の対策が重要です。

症状と原因・対策

熱中症の具体的な症状は、軽度から重度までさまざまですが、大きく分けると以下のような段階があります。

症状の
段階
症状 対処方法
軽度の
症状
めまい、立ちくらみ、筋肉のこむらがえり、過度の発汗など 涼しい場所で休息、水分と塩分の補給
中度の
症状
頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感など 医療機関での診察
重度の
症状
(熱射病)
意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温、臓器不全など 緊急の医療対応

原因

熱中症の主な原因は、体温調節機能が追いつかない環境条件です。高温多湿な環境での長時間の活動や、適切な水分補給ができていないことが挙げられます。
また、体内の塩分が不足することも一因となります。特に高齢者や幼児、持病を持つ人、そして屋外で活動する人は、熱中症のリスクが高いとされています。エアコンのない環境で過ごすこともリスクを高める要因となります。
都市部では、ヒートアイランド現象により暑さが増幅されることも原因のひとつとなりえます。

対策

予防策としては、こまめな水分補給、適切な塩分摂取、涼しい環境での休憩が基本です。
特に暑い時間帯を避けて活動することや、冷却グッズを利用することも効果的です。また、衣服も通気性の良いものを選ぶことで体温上昇を防ぐことができます。

かかってしまった人はどれくらいいる?

熱中症は日本国内で毎年多くの人々に影響を与えています。
特に夏季においては、気温と湿度の上昇に伴い、熱中症の発生件数が急増します。年間で数万人が熱中症で救急搬送されており、その中には重症化して入院が必要となるケースも少なくありません。

消防庁が発表している、熱中症による救急搬送状況のデータを見てみましょう。年によって増減はありますが、全体として増加傾向にあることがわかります。
例えば、2023年5月から9月に熱中症により救急搬送された方は日本全国で累計91,467人でした。これは、2008年の調査開始以降2番目に多くなっています。

熱中症による救急搬送状況

2015年55,852人、2016年50,412人、2017年52,984人、2018年95,137人、2019年71,317人、2020年64,869人、2021年47,877人、2022年71,029人、2023年91,467人

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
5月 2,904 2,788 3,401 2,427 4,448 調査データなし 1,626 2,668 3,655
6月 3,032 3,558 3,481 5,269 4,151 6,336 4,945 15,969 7,235
7月 24,567 18,671 26,702 54,220 16,431 8,388 21,372 27,209 36,549
8月 23,925 21,383 17,302 30,410 36,755 43,060 17,579 20,252 34,835
9月 1,424 4,012 2,098 2,811 9,532 7,085 2,355 4,931 9,193
合計 55,852 50,412 52,984 95,137 71,317 64,869 47,877 71,029 91,467

消防庁ホームページ 熱中症情報

このグラフにはないですが、直近の2024年データを見てみると、7月は速報値ではありますが41,929人となっており、前年同月2023年7月と比べて約5,000人増加しています。このデータはあくまで救急搬送された方の人数なので、熱中症と思われる症状が出た方はそれ以上にいると考えられます。

8月も猛暑は続くでしょう。9月の救急搬送人数は年によってかなりバラつきがありますが、残暑が厳しい場合は6月以上に熱中症のリスクが高いことも考えられます。
いまの日本では初夏から秋にかけて、熱中症対策は必須といえそうです。

また、熱中症というと屋外をイメージすることが多いですが、意外にも発生場所は住居が最も多くなっています
2023年の消防庁の発表によると、住居が36,541人(39.9%)、次いで道路15,186人(16.6%)、公衆(屋外)11,742人(12.8%)の順となっています。

熱中症の治療費に健康保険は適用される?

熱中症も他の病気やケガと同様に、健康保険の適用対象になります。
具体的には、病院での受診、検査、治療、入院などの費用に健康保険が適用されます。

健康保険が適用されるため、患者は医療費の一部を自己負担することで治療を受けることができます。自己負担額は1~3割であり、残りは健康保険が負担します。
熱中症の重篤度によっては入院が必要となる場合もありますが、この際の入院費用も健康保険の適用範囲内です。ただし、食事代、差額ベッド代、先進医療等の特別な治療は、健康保険が適用されず自己負担となりますので注意が必要です。

また医療費の自己負担額が高額になり、1か月にかかった医療費がその一定の自己負担限度額を超えた場合、その超過分が支給される「高額療養費制度」という制度があります。
自己負担限度額は年齢や所得によって異なりますが、この制度により、際限なく治療費の支払いが増えてしまう…といったことはなくなります。

つまり、健康保険で原則3割負担になり、さらに医療費が高額になったとしても、高額療養費制度により自己負担額を抑えられるしくみになっているということです。

熱中症の治療費に民間の保険は適用される?

熱中症に対して民間の保険は適用されるのでしょうか?
医療保険と傷害保険でカバーできる範囲の違いを見ていきましょう。

医療保険では保障される?

医療保険は、熱中症にかかった場合に「入院」や「手術」をすると給付金が支払われます。ただし「通院」では給付金は支払われないので注意しましょう。

また、医療保険には通院費用を保障する通院特約というオプションがありますが、一般的には退院後の通院に限り保障されます。

そのため、基本的には入院してはじめて適用されると考えてよいでしょう。

傷害保険では対象になる?

原則、傷害保険では熱中症は補償されません。

傷害保険は傷害(ケガ)を補償する保険で、なかでも「急激かつ偶然な外来の事故」によるケガに対して補償するものです。熱中症はこの条件を満たさないために適用されないのです。

傷害保険だけでは対象外だが、特約をつけられる

傷害保険では熱中症は補償されないことが一般的ですが、熱中症特約がついている傷害保険なら熱中症をカバーできます。傷害保険は「入院」「手術」以外にも「通院」でも補償されるため、熱中症特約をつけていれば熱中症による通院も補償されるということになります。

学生・子ども向けの傷害保険では、熱中症特約をつけられることが多いです。
部活動や屋外でのスポーツなど、熱中症のリスクが高まる活動も多いからこそ、熱中症を対象とする保険だと安心できそうですね。

保険の
種類
熱中症で保険が適用されるか 注意点など
医療保険 入院、手術をともなえば適用される 通院は給付金対象外。
通院特約で退院後の通院を保障。
傷害保険 原則、熱中症は適用されない 熱中症特約をつけることで補償対象に含まれる。
学生・子ども向けの傷害保険で特約がつけられることが多い。

以上のように、民間の保険が熱中症に適用されるかどうかは、保険の種類や契約内容、特約の有無によって異なります。
加入している保険や現在検討している保険について、種類やプランをよく確認してみましょう。

熱中症に特化した保険で備える方法もおすすめ

アプリから気軽に入れる商品が登場

2022年から保障の対象を熱中症に限定した「熱中症保険」が登場し話題になっています。
内容としては、熱中症で入院や治療を受けた場合に保険金が支払われるというものです。1日だけ加入することができる、当日の申し込みで当日から補償をスタートできる、保険料が1日100円程度、キャッシュレス決済サービスのアプリから申込できる…という魅力的な内容で、加入する方が増えています。

猛暑が予想される日や、野外での活動がある日など、熱中症のリスクが高くなる日だけピンポイントで契約できる手軽さが受け入れられているのでしょう。

ここで紹介したのは少額短期保険会社が提供する商品です。
少額短期保険は「保険期間が短い」「支払われる保険金が比較的少額」という性質から保険料を抑えて提供できることが多くなっています。

富士少額短期保険の「熱中症一時金付きお守り入院ほけん」

2024年7月に富士少額短期保険から「熱中症一時金付きお守り入院ほけん」が発売されました。

熱中症一時金が用意されているだけでなく、通常の医療保険と同じように、さまざまな病気・けがで入院や手術をしたときにかかる費用をカバーすることができる商品です。

特徴

  • 熱中症で2日以上入院したら5万円を受け取れる
  • 保険料は月々170円から
  • 1歳から85歳まで申込できる
  • 熱中症だけではなく、感染症・がん・病気・けがによる入院・手術も保障

保険料

入院日額1000円の場合

年齢 月払保険料
5~19才 170円
50~54才 290円
70~74才 700円
  • 保険期間1年の掛け捨て型、自動更新型の医療保険です。
  • 更新時の年齢により保険料は変わります。
  • ご契約を更新された場合は、更新時の満年齢に応じた金額が、翌年1年間の保険料となります。
  • 契約者配当金はありません。

保障内容

プラン 入院日額
1,000円
入院日額
2,000円
入院日額
3,000円
熱中症一時金 50,000円
入院保険金 1,000円 2,000円 3,000円
手術保険金 10,000円 20,000円 30,000円
日帰り手術保険金 1,000円 2,000円 3,000円
先進医療一時金 50,000円

「熱中症一時金付きお守り入院ほけん」
のお申込み

詳細・お申込み

熱中症のリスクが高い職業に従事している方、例えば屋外での作業が多い方は、日常的に熱中症のリスクと隣り合わせの生活を送っているため、一時金がついた保険は安心できるお守りとなるでしょう。
特に夏場の熱中症リスクが高まる時期には、こうした特化型保険への加入も選択肢のひとつになりそうですね。

まとめ

熱中症は適切な対策をすることで予防できるものです。
ただ、それでもこの厳しい暑さでは誰がかかってもおかしくありません。そのため予防と合わせて発症してしまった場合に備えることも重要です。

熱中症が原因での治療費は、熱中症も他の病気やケガと同様に健康保険が適用され、自己負担額を1~3割に抑えることができます。

また、民間の保険でも、熱中症による治療費がかかってしまったときに保障を受けられる商品が登場しています。熱中症のリスクが高い方や、熱中症のリスクが高い活動をするときには、ぜひ検討してみてください。

まだまだ暑い日が続きますが、熱中症に気を付けて夏を楽しみましょう。

執筆者情報

執筆者

菅原 里紗

(2級ファイナンシャル・プランニング技能士/株式会社アイ・エフ・クリエイト)

当社のミッションである「安心できる金融商品選びをわかりやすくカンタンに」を胸に、
社員一同、誠心誠意お客様のお手伝いをいたします。

掲載している情報は記事更新時点のものです。最新の情報と異なる場合がありますのでご注意ください。

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