生命保険の基礎知識
【生命保険に関する相場】世代別の保険料や保険金の平均
皆さんは、生命保険でどのくらいの保障を備えていますか?
全世帯のおよそ9割近くが何かしらの生命保険に加入しており、さまざまなリスクに備えているようですが、他の世帯が毎月どのくらい払って、いくらぐらいの保障に入っているのだろう?というのは関心がおありだと思います。それぞれの家庭環境が違うので正しい金額というものはありませんが、ご自身の加入している保険に払いすぎていないか、保障は足りているのか気になりますよね。
平成27年度に生命保険文化センターが実施した「生活保障に関する調査」をもとに、さまざまな平均データをまとめてお伝えします。
■もくじ(ページ内リンク)
毎月の保険料の平均額
「生活保障に関する調査(個人調査)によると、年間の生命保険にかかる払込保険料の男女別での平均額は、男性が24.1万円(2万/月)で、女性は18.2万円(1.5万円/月)なのだそうです。
そして世帯調査によると、1世帯の平均払込保険料は38.5万円(3.2万円/月)でした。
前回が41.6万円(3.5万円/月)でしたので、わずかに減っています。ちなみに、およそ10年前の平均払込保険料は52.6万円(4.4万円/月)だったそうで、年間10万円以上も差があるようです。
全体的な平均保険料の金額が年々減少している理由は、20代や30代に比べ、必要保障額が低い50歳以上の方々の割合が増えているからです。
世帯の年収別平均額
こちらは年収ごとの死亡保障にかけている保険料の平均額です。収入が多くなると払込保険料も高くなっているのが分かりますね。
収入別での普通死亡保障平均額
平均年額(約) | 平均月額(約) | |
年収300万円未満 | 16.8万円 | 1.4万円 |
年収300~500万円未満 | 19.0万円 | 1.6万円 |
年収500~700万円未満 | 20.4万円 | 1.7万円 |
年収700~1,000万円未満 | 26.0万円 | 2.2万円 |
年収1,000万円以上 | 33.9万円 | 2.8万円 |
ちなみに、ライフプラニッツ方式*という計算式により、もし亡くなってしまった場合に、将来受け取れたであろう収入の一覧をご紹介します。
死亡保障を考えるときに、ご自身の家庭がどこにあてはまるのか参考にしてみてください。
(*ライフプラニッツ方式 交通事故により死亡または後遺障害が残った被害者が、健康だったら得られたであろうと予測される収入を計算する方式の一つ)
ライプニッツ方式による生命価値の金額
年齢 (歳) |
年収 | |||
300万円 | 500万円 | 800万円 | 1000万円 | |
20 | 3,776万 | 6,293万 | 10,069万 | 12,587万 |
30 | 3,509万 | 5,849万 | 9,358万 | 11,698万 |
40 | 3,075万 | 5,125万 | 8,200万 | 10,250万 |
50 | 2,368万 | 3,946万 | 6,313万 | 7,892万 |
60 | 1,744万 | 2,907万 | 4,651万 | 5,814万 |
死亡保険金の加入平均金額
次に平均でどのぐらいの保障額に入っているのかを見ていきたいと思います。
世帯全体で加入している死亡保障の平均額は約2,423万円となっており、世帯主の年齢別で見てみると、働き盛りで子育て世代の30代から50代までの保障額が大きく準備しているのがわかります。
ですが、およそ10年前の平成18年の平均額が3,344万円だったのに比べると、900万円ほども減少しているのです。
世帯ごとの普通死亡保険金額(全生保)
年齢 | 死亡保障額 |
全体の平均 | 2,423万円 |
30~34歳 | 3,093万円 |
35~39歳 | 3,050万円 |
40~44歳 | 3,277万円 |
45~49歳 | 3,287万円 |
50~54歳 | 3,388万円 |
55~59歳 | 3,175万円 |
60~64歳 | 2,362万円 |
65~69歳 | 1,799万円 |
その中で、世帯主の死亡保障額の平均は、約1509万円(前回1671万円)で、妻は約807万円(前回889万円)となっており、こちらも減少が続いています。
保険料の家計への負担や、昔よりも少子化がすすみ、世帯人数が少なくなっているという影響もあるのかもしれません。
なお、家庭により共働きだったり妻が専業主婦だったりと状況が違うと保障にも差があり、働いている妻の平均は約948万円で、専業主婦の場合だと約655万円となっています。
死亡保障を準備するときは、公的制度も考慮しながら保障額を決めていくので、単純に「減ったイコール不安」ということではありませんが、備えに対する満足度はいかがでしょうか?
最後に、安心できる希望の保障額と現在の満足度を見てみたいと思います。
準備したい希望額の平均と満足度
これまでは実際の加入額や払込保険料をみてきましたが、では実際に必要だと感じている保障額はどのくらいなのでしょうか。
世帯主に何かあったときに、遺された家族が生活していくのに必要と考える生活資金額の平均は5,653万円だそうです。ちなみに前回は5,514万円でしたので、139万円増える結果となっています。
必要生活資金に対する世帯主の死亡保険金額の割合
万一の場合の 必要生活資金 |
世帯主平均 加入普通死亡保険金 |
充足率 | |
平成27年 | 5,653万円 | 1,509万円 | 26.7% |
足りない、と感じていても、日々の生活費などを考えるとなかなか払込保険料を増額して、大きな保障を持つことは難しい、と考えている方が多いのかもしれません。
「今後増やしたい保障は?」というアンケートでは、「夫婦の老後の生活資金の準備」が上位となっており、万一のときの保障と同時に、現代の長生きに対するリスク対策の準備も心配されているようです。
また、万一世帯主がなくなってしまった場合、残されたご家族に必要になってくる金額は、家族構成やお子様の年齢などによって異なります。ご家庭の必要保障額が気になる方は万一の場合の必要保障額の算出方法は?ページをご参考ください。
まとめ
ご自身と比べると、多く払っていたり、保障額が少なかったりなど違いはあるかもしれませんが、データはあくまでも目安であり、必要額や加入状況はそれぞれの家庭環境によって違って当然です。出産やお子様の進学などライフステージに合わせて、定期的に保険の見直しをしていただくことで、無駄なく将来に備えることができます。大切なご家族のためにもぜひ一度、ご自身に必要な保障額を見極めてください。
死亡保険についてご検討のかたは生命保険比較サイト「i保険」医療保険ページをご覧ください。
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この記事を書いた人
奥寺 佳彦
株式会社アイ・エフ・クリエイト
日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー(AFP)