もういちど老後に安心を得るための商品が持っているしくみについて確認しておきましょう。
私たちになじみがある金融商品について、3つのしくみを持っているかどうかをチェックしてみました。 下の表をご覧ください。
(しくみその1) 継続してお金を受け取れる |
(しくみその2) 世界経済全体への投資 |
(しくみその3) 値下がりしたときの対応 |
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(a)定期預金 | × | × | ー |
(b)株式 | × | △ | × |
(c)投資信託 | × | ○ | × |
(d)個人年金(円建て) | ○ | × | ー |
(○できる、△できないことはないが難しい、×できない、-該当なし)
ここでは代表的な4つの商品について考えました。それぞれ特徴のあるよい商品ですが、残念ながら老後の安心を得るという目的にはフィットしません。特に「終身年金」は安心を得るためにはずせないしくみですが、4つの商品のうちでは個人年金(円建て)しか条件を満たしていませんでした。国民年金や厚生年金といった公的年金が「終身年金」の代表例という話をしましたが、民間の金融機関で「終身年金」を扱っているのはどのような会社なのでしょうか?
それは生命保険会社です。年金商品は他の金融機関も扱えますが、「終身年金」を扱えるのは生命保険会社だけです。生命保険というと、「死亡」や「病気・ケガ」のときに保険金がもらえるというイメージが強いと思います。将来何が起こるかわからないので、起きたときの保障として生命保険に加入するということですね。実は、長生きについても同じように考えることができます。人間は寿命を自分自身で決めることはできません。いつまで生きるかは誰にもわかりません。いくら必要になるのかわからない老後資金を生命保険でカバーするというのは自然な考え方です。だから生命保険会社が「終身年金」を扱っているのです。
では「個人年金」が私たちの求める商品なのでしょうか?そうではありません。円建ての「個人年金」は日本の円で運用するため、利率もそれほど高くなく、お金を増やすにはパワー不足です。私たちが求めているのは、円で運用する商品ではなく、世界経済全体に投資できる商品です。
それができる商品として「変額保険」と「変額年金」があります。「変額保険」は運用成績によって死亡保険金や満期保険金といった保険金額が変動するタイプの生命保険です。「変額年金」は運用成績によって受け取る年金額が変動する個人年金です。「変額保険」と「変額年金」は老後の安心に必要な3つの特徴をすべて持っています。
(しくみその1) 継続してお金を受け取れる |
(しくみその2) 世界経済全体への投資 |
(しくみその3) 値下がりしたときの対応 |
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(e)変額保険・変額年金 ※会社や商品によっては 対応できない場合があります |
○※ | ○ | ○※ |
(○できる、△できないことはないが難しい、×できない、-該当なし)
「変額保険」「変額年金」はどちらとも老後の安心に役立つ商品ですが、これからは「変額保険」を中心に話を進めます。お金を増やすだけなら年金でよいのでは?と思うかも知れません。それでも「変額保険」をおすすめするのは、「変額保険」のほうが、値下がりしたときでも続けやすいからです。
「変額保険」の場合、値下がりしても、死亡保険金が契約時の保険金を下回ることはありません。死亡保険金の額は一定額が保証されているので、値下がりをしたときは「これは保険なんだ」と思えばよいのです。一方「変額年金」には保険金の保証といった機能がありません。値下がりすると受け取る年金額も減ってしまい、保証されているものがありません。資産が値下がりしたときは何らかの「よりどころ」が必要なので、「変額保険」のほうが精神的に楽だと思います(ただし変額保険は生命保険なので、健康上の理由により加入できないこともあることに注意が必要です)。